自由に働いて経済的な余裕を持つ

会社員としての収入の限界

会社を辞めた時、多くの人に「思い切りましたね」と心配されました。確かに楽天は組織も大きく、安定した収入もやりがいのある仕事も保証されていました。

おそらく皆さんが一番心配してくださったのが「収入が減る」ということだと思います。でも、僕自身はあまり心配していませんでした。もちろん、既に結婚して子どももいて、さらに35年の住宅ローンを持っていたので、ある程度の経済的な余裕は必要でした。ただ、「自由に仕事をしながら」というのを付け加えるとなると、これまでの会社員のやり方では難しいと感じてました。

 

組織の中で収入を上げるには

会社員は“組織の中”で収入が決められます。自分がどんなに成果を出したと思っていても、組織の中で認められなければ収入は上がりません。おそらく会社で仕事に見合った、もしくはそれ以上の収入を得られる人というのは2タイプ、本当に仕事ができて他人も認めざるを得ないほどの働きを見せつけられる“絶対王者”か、利益を出す仕組みの中で周りと協調しながら成果をあげられる“有能な管理者”だと思うのです。そして、僕はそのどちらにもなれないと思いました。

でも、組織の外に出たとしても、やり方次第では自分の仕事を評価してもらえ、十分な収入を得られるのでは?と思っていました。実際に、今がその状態にあると思っているのですが、そのために何が必要なのか、自分なりに考えてみました。

 

会社を辞めたあとに最低限必要なスキル

まず1つ目は、地頭とも呼ばれるようなベーシックな人間力。基本的なコミュニケーションスキルや責任感、誠実さなど。「いい人」という意味ではなく、仕事を遂行するための基礎的な感性・知性のことです。これは、普通に仕事していれば誰でも身につくスキルかと思います(逆にいうと、これがない人はそもそも無理です)。

そしてもう一つは、専門性。競争原理が働く社会の中で、できるだけ希少でありつつ、求められることが重要でしょう。幸い私は楽天で「事業会社におけるデジタルマーケティング」という専門性を得ることができました。そして世の中ではデジタルマーケティングの重要性がどんどん高まっています。しかし、そうした新しい専門性を持つ人は、資金力のある大手企業にしかいません。企業内にデジタルマーケティングという武器を取り入れたい人は、自分たちで育てるか、他から取り入れるしかありません。そこで私のような人間が重宝されるわけです。

 

会社内で「中の上」くらいあれば、辞めてもまずまず成功する

組織の中でも「上の上」で仕事ができる人は、どんどん出世して裁量権も大きくなるので辞める理由はありません。一方「中の下」以下の人は、会社を辞めたら路頭に迷うことになるので、組織の中にいることをおすすめします。なので、会社を辞めて自分で仕事をし、生活していける人というのは、組織の中で「中の上」くらいに仕事ができて、かつ世の中に求められる専門性を持っている人というわけです。

僕も自己評価としては「中の上」くらい。まあフツーの人の部類に入ると思いますが、会社員にいた時より断然収入がアップしました。つまり、大多数の人は「自由な働き方でしっかり儲ける」ということを実現できるのかなと思っています。