組織で疲弊していた「過去の自分」に
もし、タイムマシンがあったら、過去の自分にアドバイスをしにいきたいと思ったことはありますか?
僕はたまにそう思うことがあります。というのも、数年前までの僕は、組織の中で息も絶え絶えでした。
断っておきますが、楽天という会社は決して悪くありません。
むしろ、このご時世において、数少ないホワイト企業だと思います。
仕事も充実していて楽しかったし、いい経験をたくさんさせていただきました。
人間関係に悩んでいたわけでも、待遇が不満だったわけでもありません。
ただ、会社特有の「組織である暗黙のルール」が、なんとなく辛かったんですよね。
同じ職場で、同じメンバーで、同じ仕事を、同じ基準で評価される。
僕なりにがんばっていて、そこそこできる方だと思っていましたが、でも、それはあくまでも社内での話。
それで天狗になるのもどうかと思うし、できる人を羨むのもバカバカしい。
今でこそ、そう思いますが、当時は小さな世界での評価に喜んだり拗ねたりしてました。
そして、同じようにアップダウンする人に嫉妬されたり、軽んじられたり。
すごく視野が狭くなっていたんですね。
そんな小さな競争が好きな人はいます。
でも、僕はそうじゃなかったつもりなのに、組織の中では無意識に巻き込まれていました。
均一の環境では自分の市場価値がわからない
組織の中でも何か変わるきっかけがないかなと思い、グループ内で部署を変わってみたり、仕事の内容を広げてみたりもしました。
それはそれで、すごくいい体験でしたし、得るものも多かったと思います。
でも、やっぱり大きな会社の中で仕事環境を変えたとしても、仕事するメンバーが違うだけで、組織全体の中のやわらかい圧力みたいなものは、あまり変わらなかったんです。
それで、ぽんと辞めてしまったわけですが、何を仕事にするのか、まったく考えていませんでした。
既に家族を抱え、家のローンもあったので、とりあえず、お金は稼がなきゃならない。
のんびり仕事ができる会社に転職するか、それまでコンビニなどでアルバイトするか、いっそ、コーチングが向いているんじゃないかと突飛なことを考えたこともありました。
でも、会社を辞めて、知り合いの方に仕事を依頼されたことをきっかけに、楽天でのWebマーケティングの仕事で得た経験は、世の中にとって大きな価値があるものなんだなと、改めて気づくきっかけとなりました。
それに気づかせてもらったことで、今はお客さんに対して価値を返すことだけに集中でき、とてもやりがいを持って仕事ができるようになりました。
だから、組織の中で閉塞感がある人にはぜひとも外に出てみてほしいです。それによって、自分の知識や経験がどのくらい価値があるものなのか、わかるはずです。
似たようなスキルや経験を持つ小さな組織の中で優越を競うより、世の中という大きな枠組みの中で自分の価値を高める方が絶対楽しいです。
会社の中では「よくいる中の上」でも、世の中では「価値ある希少種」かもしれませんよ。