楽しくてためになる「ひとり株式会社」のススメ

ひとりで自由に仕事ができる時代

インターネットを始めとする様々な技術の進化もあり、「働き方」の常識が大きく変わりつつあります。でも、人の中にある常識はなかなか変えられないもの。せっかく能力があっても従来の価値観に縛られ、組織の中に埋れている人は多いのではないでしょうか。

もっと自由に楽しく働く環境を手に入れられるはずなのに、第一歩を踏み出せない。そんな人に、「ひとりで自由に仕事をする方が断然楽しいし、パフォーマンスも収入も、生活の質も上がるよ!」と伝えたい。その思いがあったのも、ブログを始めた理由の一つです。

 

会社を離れると収入が上がる3つの理由

ひとりで仕事をするとなぜいいのか。

まず1つ目は、「仕事に対するモチベーションが高まること」です。

人間は「やらされること」に対して高いモチベーションを保つことが難しい生き物です。そこで多くのビジネス書では、嫌な仕事でもポジティブな面を評価して主体的にやろうと勧めています。でも、僕には根性論にしか見えない。嫌な仕事はどうしても嫌なものですよね。でも会社に属していれば拒否しにくいし、完全に回避するには会社を辞めるしかない。でも、ひとりなら、本当に嫌な仕事なら受けなければいい。そして自分の得意なこと、モチベーションが持てるものに注力できます。

そして、2つ目は「無駄なマネジメントや調整が減ること」です。

「仕事を断れる」ということは、裏を返せば、「自分が選んだ仕事」には責任を持って取り組まなければならないということでもあります。時にはトラブルや嫌なこともあるでしょう。でも、それも含めて責任は自分。やる気のない部下に仕事をさせるより、よほど簡単なはず。そして、自分が苦手なことや専門外は信頼できるパートナーにサポートしてもらうことで、品質も上がるはずです。

3つ目は、「自分がやったことがすぐに報酬にも反映されること」です。

雇用関係にある場合、雇用側に評価されなければ報酬は上がりません。どんなにいい仕事をしても、すぐに報酬に結びつかないのです。責任が分散している分、どんなに頑張っても成果に繋がらないし、時に要領の良い人に手柄を横取りされることもあります。でも、一人なら成功しても失敗しても返ってくるのは一人分の評価。つまり、頑張ればすぐに報酬に反映され、常にやる気に燃料を投下し続ける状態を作ることができます。

やりたいと思った仕事に意欲的に取り組み、お客さんやパートナーとも対等でいられる。無駄な仕事や理不尽な思いをする必要がありません。結果として、仕事の生産性はぐんと上がるし、達成感もあります。そして、結果として収入も上がるというわけです。

 

ひとり株式会社のメリットは様々

ひとりで仕事をするのなら、個人事業主でもいいのですが、僕としては株式会社にすることをお勧めしたいです。もはや総務や経理などのバックヤードは外部化できる仕組みがたくさんあります。仕事を手伝ってもらいたいならば、雇用関係でなく、誰かに依頼すればいい。その誰かも「ひとり株式会社」なら、お互いに対等な立場でいられるので、気持ちよく効率的に仕事ができます。

そして、税金や経費など「お金とお金の流れに詳しくなれること」も、会社化する大きなメリットといえるでしょう。会社にいると、自分の給与と会社の売り上げや利益を結びつけて考えることが難しくなります。でも、会社化すれば、全ての動きが自分の報酬に結びついてくるので、税の仕組みや経費の使い方などもしっかり見えてきます。もちろん勉強する必要はありますが、勉強しただけ自分に返ってくるのでやりがいもあります。

 

経験やノウハウが個人にストックされる

起業せずに、会社にいるメリットを挙げるとすれば、「完成したビジネスの仕組みに参加できること」です。僕もそこから得た経験があって、今があります。実際、今の自分の会社は、楽天にいた頃と比べるとビジネスの規模は格段に小さくなっています。しかし、個人が会社の持つビジネスの仕組みに関われるのは一部であり、個人が得られるノウハウや知識も一部です。場合によっては「その仕組みを回すため」のものに特化され、他の会社では応用が難しいこともあります。その結果、努力や経験がその会社特有のスキルとして蓄積され、個人にストックされないという状況も多いのではないでしょうか。

さらに、ビジネスの仕組みそのものが陳腐化したり、競合に負けたりしたら、組織に依存していた分、リスクも大きいでしょう。それでも会社にいるのなら、どこにいっても勝負できるノウハウ・スキルを身につけるべきだと思います。

 

会社は修行の場として選ぶ

そうした意味で、僕が考える会社勤めの最大のメリットは、最先端の経験やノウハウを得られることでしょうか。そして、たくさんの利害関係者と一緒にプロジェクトを進める上で必要不可欠な「大局観」が得られたことです。僕自身も、現在の仕事の基礎になったノウハウやスキル、社会人としての最低限のルールは楽天で学ばせてもらいました。パートナーやお客様も根っこを辿れば楽天時代に繋がります。「楽天でやってきた」という経歴がブランドになっていることも間違いありませんし、感謝しています。だからといって、会社に一生縛られる必要はないと思うのです。

楽天での経験を元に、新たに学びながら社会に貢献することで、量質ともにより大きな価値を提供できると信じています。

そんなことを考えながら、今、打ち合わせ前にホテルのラウンジでこのブログを書いています。高い天井に広々とした空間で、ゆったりと仕事をしていると、ふと満員電車の殺伐とした空気が思い出され、もうあの世界には戻れないと実感します。実はそれが一番会社をやめてよかったことかもしれません。